4/24(土)に東京中央日本語学院にて、前衆議院議員の保坂展人さんと漫画評論家の藤本由香里さんの主催により開催された、「どうする表現規制、民主主義の使い方を考えよう」(http://icc-japan.blogspot.com/2010/04/blog-post.html)に行ってきた。
プログラムは以下の通り。
内容の紹介
以下に自分のメモから箇条書きで内容を紹介する。プログラムは関係なく、話題ごとにまとめた。発言者はメモしていなかったため、なし。私の解釈や再構成のため、当然、元の発言と内容が異なったり、一部欠けていることがある。また、※は私の補足である。
都条例関係
- 条文が読まれていない
- マスコミが条文を読んでいないため、報道のポイントがずれている
- 猪瀬副知事も読んでいない、または意図的にポイントをずらしている
- 条文がどうか、という点がまず問題である
- 都側の説明が条文と食い違っている
- 説明の内容は現状の条例案でも対応できる
- 都側の説明が条文と食い違っている
- 「自主規制」を強要する内容である(七条と十八条)
- 都/事業者/都民への要求あり
- 悪書狩りへ容易に繋がる
- 児童ポルノ法案改定への先陣である
- 単純所持規制や創作物規制への足がかり
- 条例案を決めたプロセスの問題がある
- 親や市民の要望から上がって来た規制ではない
- 賛同した「PTA」の会長は青少年問題協議会の会員である
- 青少年問題協議会の委員が規制派のみである
- ※以前は斉藤環さんなど、慎重派も委員だった(http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020362.html)
- 審議会での数々の暴言がある
- 議員への条例案の提示がギリギリであった
- 条例案は都自体はネットでは公開していない
- ※MIAUメンバーの調査により始めて公になった
- 規制派が公の場に出てこない
- 事を大きくしたくないのではないか
- 親や市民の要望から上がって来た規制ではない
- あまり注目されていないがフィルタリング強制・ブロッキングの問題が大きい
- ※都条例のネット関係の問題はMIAU(インターネットユーザ協会)の意見書(http://miau.jp/1268478000.phtml)を参照
- 政治に関する情報も見れなくなる
- →青少年が政治について意見を言えなくなる
- 権利主体としての子どもが軽視されている
- 検閲・規制しやすいマスコミの代替となるネットが縛られることにつながる
- まとめて大雑把に網をかけたいという意図が見える
- 恣意的な運用をしたい
- 「風と木の詩」は条文からは規制対象に含まれるように思えるが、都側は規制対象外として説明している→有名作品を規制すると面倒?
- 取り締まり側の仕事を増やしたい
- 最近は有害指定される図書自体が減っている(仕事がなくなっている)
- 恣意的な運用をしたい
- 都議会について
- 実はこれまでよりも現在の若者の方がしっかりした性意識を持っている
- 藤本さんの大学教員としてのジェンダーに関する調査より
- 性の情報をタブー視せず、共有できているから
- 一人だけで受け止めるのが最も危険
- もともと青少年は性に興味があるものである
- 規制しようというのは無理がある
- 世の中をきちんと知る事こそが重要である
- ※「真理がわれらを自由にする」(http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/shinri.html)
- 雑多なもの、いやなものにどう対処して行くか知る
児童ポルノ禁止法関連
その他
- 全世界的に治安対策が盛んになったころから動き出した報告や法案条例案が時限爆弾的に出て来ている
- →警察(公権力)の拡大への危惧
- 第3次男女共同参画基本計画(中間整理)にて表現規制が含まれている
- 誤解や意図的な風説が存在している
- 日本は児童ポルノ大国
- →外国でポルノ規制派によりそのような風説が作られている
- 少年犯罪-性犯罪の深刻化
- →1960年代が最も深刻であった
- 現在の成年向け雑誌の陳列-販売状況
- →コンビニではシールで封されている
- 日本は児童ポルノ大国
- こうした規制は本当に青少年を守る目的なのか
- 本当に子どもを守りたいと思っている人もいるが……
- 規制が有効であるという証拠は無い、むしろ悪影響の恐れもある
- 宗教的目的の可能性がある
- 法規制ではなく、市民同士の話し合いにより表現の内容を考えて行くべき
- 法規制は決して求めず抗議などで表現内容と向かい合う団体もいる
- それに創作者-出版社などがどう答えて行くか
- 政治家が児童ポルノ法や健全育成条例に反対するのには勇気がいる
- 後押しする市民からの声が必要である
- 特に実際に子どもを持つ親の声が欲しい
感想など
以下、感想などを記す。
会場は人でぎっしりで、参加者は百数十人だっただろうか。
コミケスタッフ幹部も何人か来ていた。
今回の協力団体であるコンテンツ文化研究会の活動が、表現規制系全般に対して活発でありがたい。これまでこういう団体はなかなか無かったのでカンパ等で支援していきたい。
最後に今回の会場である東京中央日本語学院の学長さんからのお話もあった。何で日本語学校が会場なのかと思っていたがが、学長が保坂さんとの旧友とのこと。
学校に来る人の傾向として、かつてはビジネス目的の人が多かったが、やはり最近は日本サブカルチャーが好きな人が多いそうだ。合宿の二次会では、クラスの違う面識のないはずの学生たちがみんなでアニソンを歌っているそうだ。実はこの話が今回一番印象的だったかも知れない……。