向こう岸

最近はもっぱら同人イベントの参加記録

ゲーム脳説を肯定する人の分類

 世田谷区で「ゲーム脳」説の森昭雄日本大学文理学部教授が講演した話がいろいろとネットで取り上げられている。
 で、この日記の話題は講演についてとは違うところにある。ゲーム脳説を積極的に肯定している人はおそらくいくつかのタイプに分けることができるんじゃないかということだ。これらの分類に根拠はない。また、それぞれの分類には重複するところがある。

  • 「〜〜は危ない」話の類を無条件で信じてしまう人
  • 子どもに関する問題の原因をとにかく何かに押し付けたい人
  • 子どもをゲームから遠ざけるための道具に使いたい人

 最初のタイプは「買ってはいけない」とかを無条件で信じてしまう人。いわゆる信者と呼ばれる人のタイプ。
 二つ目のタイプはとにかくゲームを悪者にしたい人。もともとゲームが悪いと思っていてゲーム脳説をその根拠にしたい人や、ゲーム脳説をきっかけにゲームを分かりやすい悪者として叩く対象と考えた人だ。もともとの動機として自分の責任転換をしたいか、あるいはとにかく単純明快な解(この場合は絶対的な悪者)を得たいというものがある。
 一つ目や二つ目のタイプは、いわゆる「自分の信じたいものを信じる」人たちだろう。こういう人たちが森教授の講演で拍手とかしてしまうのだと思う。
 三つ目はもともと自分の子どもにゲームをやって欲しくないと思っている人で、ゲームをやりたがる子どもに対する説得の道具にゲーム脳説を使うというタイプ。「もったいないお化け」とかの類の御伽噺と同じような感覚でゲーム脳説を使う。「水に優しい言葉をかけるときれいな結晶ができる」という話が教育現場で使われている*1のと似ている。こういう人たちにとってはゲーム脳説は子どもにゲームをやらせないための材料に使えればいいので、ゲーム脳説が正しいか正しくないかは比較的どうでもよい。しかし、商売のために作られたと思われるニセ科学の理屈を使って子どもを教育するというのは良くないことだと私は思う。